So-net無料ブログ作成

色彩の子ども 【常若の国】 ~ 黒紅 [twitter]

玉の緒のうつつにあらず―暮れなづむ空をかがよふうすくれなゐの

ゆふづつの化身にやある眉月をしたたる音のはつかひびきぬ

うつそみの闇に染むれば照り映ゆる月を今宵の兄世(いろせ)とも見む

ぬばたまのこくえうせきのことのはのへりをしなぞるゆびのニルヴァナ

仮初めにあらざればなほ―目をそらす。絶たなむ熱の、ままならぬまま。

たかしるや天使のらつぱ堕つるべしこよひは月も出ぬさうな

まなうらに揺れゐる薔薇のいろ冴えてティル・ナ・ノーグへつづく雨音

大人短歌計画その後 [twitter]

総勢81名が参加した「大人短歌計画」は、その後
読む短歌/聞く短歌に発展し、
「大人短歌朗読計画」には代読も含め
かなりの方が参加なさったようです。

新聞にも取り上げられたそうですが、
地方紙のため私が本紙を購読しておらず、
ウェブに登録できないため読めませんでした。

オトナですか? (10)短歌/もっと自由になりたい

そしてこのたび、冊子化にあたり
「エトランジュ」と題して相聞が募集されています。

当初、参加はしないつもりでした。
Twitterの歌人さんはたいてい何となくペアがありますしね。

でも、ふと思いつき、勇を鼓してネットの外の方をお誘いしました。
驚いたことにすんなり公開を承諾していただき、感謝しています。
今まで詠んだ歌のなかから相互にインスパイアされたものを集め、
括りの二首を加えて、ちょっと変わった相聞ができました。

ふる三年ときとところを隔てつつ詠みきし歌ゆあひきこえ編む

レノン忌 [twitter]

12月8日の季語は「開戦日/開戦忌」でした。

また、ジョン・レノンが亡くなった「レノン忌」でもあります。

検索したらこんな俳句がありました。

レノン忌や学徒の軍靴雨しぶく(土肥幸弘)

土肥幸弘さんという方、検索しても詳細は分かりませんでしたが
戦争に関連する俳句がいくつか上がってきました。

上記の句もレノン忌をうたいつつ、開戦忌をおもわせるものとして
タイムラインに上げました。

それをご覧になったのかどうか、歌を詠んでくださった方がありました。

・レノン忌・
世の中のかなしき事を菊の辺におもかはりせぬイマジンの詞(うた) 横雲

この歌をリツイートしたところ、私の知らないところで
さらにリツイートしてくださった方があったようです。

最初はごく少人数の目にしか触れなくても、
結果的に何百人ものタイムラインに流れてゆく。

Twitterの流れに、平和への願いを重ねた一日でした。

地方対抗短歌戦 [twitter]

Twitterで山本まともさんが開催なさった「地方対抗短歌戦」に参加しました。

【前哨戦(1)】(題詠「北」)

北辰とみとむるものの揺らぐときわたしを遊ぶサティのてのひら

【前哨戦(2)】(題詠「湯」)

あいまいな夜ひるのへりその腕は湯舟のやうにわたしを抱く

【本戦】(題詠「対」)

名を入れし湯のみ茶碗はなみかぜの四年をかけて対うしなひぬ

いずれもあまり歌会向きでない歌に選やコメントをくださった方、
ありがとうございました。

大人短歌計画 [twitter]

Twitterに「#大人短歌計画」という企画があります。

当初は「大人のエロス・性愛」というコンセプトのもとに
立ち上げられた企画でしたが、

参加者が総勢81名という大規模な企画に膨れ上がったため、

結社などの縛りのない自由な歌人集団によるネットプリントということに
なったようです。

諸事情から本名とも通常のハンドルネームとも
異なる名前で参加していますので、
ここで歌を公にできません。

また、派生した「大人短歌朗読計画」にも参加を見送りました。

歌のインスピレーションを与えてくださったうえに
たいせつな名前を使うことをお許しいただき、
当てる漢字もみていただいた方、ありがとうございました。

恥じぬよう、精一杯がんばったつもりです。

また、歌をツイートしたり感想を書いてくださった方、

そもそも企画に誘ってくださった方、

ありがとうございました。


書籍のご紹介 [twitter]

Twitterで投稿した歌が収録された書籍が2冊発売されます。

いまドキ語訳越中万葉

   imadoki.jpg

単行本: 176ページ
出版社: 北日本新聞社
ISBN: 9784861750748
発行日: 2013/9/10

 越中を詠んだ万葉集の名歌を、現代的な言葉や感覚で詠み直す。俵万智さん、加藤治郎さん、穂村弘さん、荻原裕幸さんら29人の人気歌人が、万葉歌人の心情に思いをはせ、時代を超えて愛される歌の魅力に迫る。2012年7月から13年3月まで掲載した26回分に、新たに書き下ろした原稿を加えた。歌に登場する「馬」を「自転車」に置き換えるなど、名歌を1首ずつ“いまドキ語訳”し、解説を兼ねたエッセーを添えた。
 万葉集が詠まれた奈良時代と現代をつなぐため、テーマに合わせた風景を本社写真部員が撮影した。短文投稿サイト「ツイッター」で募った作品も収録した。

 (北日本新聞社ウェブより転載)


怪談短歌入門 怖いお話、うたいましょう (幽books)

   kwaidantanka.jpg

単行本: 173ページ
出版社: メディアファクトリー (2013/9/20)
ISBN-10: 4840154295
ISBN-13: 978-4840154291
発売日: 2013/9/20

悪夢から目覚めてママになきつけばねんねんころりあたまがころり

■ポイント

怪談短歌コンテストの応募作品創作のポイントがわかる!短歌入門、怪談入門に最適!読んで気軽に実践(応募)できて楽しめる!

■内容

女のコのためのコワ~い文芸誌『Mei(冥)』の創刊記念のイベントのためにtwitterで募集された「怪談短歌」。蓋をあけてみれば、短歌と怪談の融合により生まれた新しい文学への可能性を感じさせる秀作が多数集まった。本書では2回にわたり行われた「twitter怪談短歌コンテスト」の入選作を中心に注目の女流歌人3人が、短歌と恐怖の本質について徹底的にディスカッション! 短歌はもちろん“怖い”短歌入門にも最適の書。

メディアファクトリーHPより転載)

怪談短歌 [twitter]

女の子のための怪談雑誌『Mei(冥)』刊行を記念して、
twitterで募集していた怪談短歌に応募しました。

といっても、ずいぶん前(去年の11月)のことです。

なぜ今頃記事にしたかというと、ごく最近
次点に選んでいただいたことを知ったからです。

えっ?

実は、各賞が選ばれた時点で入選していなかったので、
その後応募者多数により各選者が次点を10首選び、
拙歌がその中に入っていたことに全然気づいていませんでした。

あとから、反響はとても大きく、一ヶ月間の募集期間で
応募作は1000首を超えたと知りました。

何というぼけっぷり。
選者の佐藤弓生さん、『冥』のご担当さま、本当に申し訳ありません。
そして、ありがとうございました。

枯れ蓮の池ゆ起ちくる影あまた天をおほひぬ夜の公園


『Mei(冥)』 Ghostly Magazine for girls (幽BOOKS)

『Mei(冥)』 Ghostly Magazine for girls (幽BOOKS)

  • 作者: 辻村深月
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2012/10/19
  • メディア: 単行本



地方対抗短歌戦 [twitter]

Twitterで山本まともさんが主催された「地方対抗短歌戦」に参加しました。

ふだん、こういった催しはわりに傍観することが多いのですが、
今回とても参加者が多かったので、いろんな方の歌を読んでみたいなと
ふと思ったので。

詠草ページ
http://www49.atpages.jp/~utakaicgi/page.php?id=3

詠草の数が多く、選歌にもコメントにもあまり時間をかけられませんでした…。

詠みぶりがわかっていたり、過去詠だったために作者がわかってしまった
作品もありましたが、知らなかった方の作品が大半で、
読みに特徴のある方の歌評は面白く、全体を通じてとても楽しめました。


<結果>
優勝【北海道地方】
2位【近畿地方】
3位【甲信越地方】


<選歌>

5点 みな同じ行方同志と笑ふひと 白きひかりはホスピスに満つ

むずかしいテーマですね。二句は「ゆきがたどうし」と読むのだと思いますが、
題詠の部分と字余り、歌の中心を重ねて巧みだと感じました。
感情表現を排して淡々と詠ったことも効果的だと思います。

3点 明け方を胎児のように丸まれば小さなわたしが寄り添いにくる

「小さなわたし」は娘なのか、幼い頃の記憶の中の自分なのか。
「胎児のように丸まれば」という表現とあいまって、
作中主体と「小さなわたし」の二重のよるべなさが感じられます。

3点 さみどりの方向指示器の誤作動に連れられてゆく霧の海境

新緑に誘われて行くはずではなかったところへ行ってしまった、と
文字通りに読むこともできますが、「霧の海境」と表現することで、
行った先が思ったようなところではなかった、という喩とも読めると思います。
興味深い一首です。

3点 海は割け 道は新たにつくられる 方向音痴のきみ行く先に

上句の大仰な表現でモーセの出エジプトなどを想像させておいて、
ぽんと転換し、身近なところに落とし込む。非常に巧みだと思いました。
この歌に関しては一字あけはあってもよいと思います。

3点 人間のとおきものよりわたくしを方程式の答えにしまう

3点 鉄道はみな地平線の方を目指すいつかすべての列車が出会う

1点 朽ちそうな剣と御首手に歩く正義の味方が見る名無し草

1点 きんきらの匙をゆっくり傾ける 立方体は優しく沈む

1点 夏に向けざわざわとした夕暮れに方位の針は間違ったまま

1点 ひとなつの方舟だつた窓開かぬ西日の部屋につがひとなりて

1点 人知れぬ恋なら右の方向へハンドルを切れその先は海

命令形の四句切れと体言止めが利いた勢いのある歌。
題詠なのでやむを得ないのですが、「方」が関係なければ
「右へ」と詠まれたのではないでしょうか。「右の方向へ」につまづきました。

1点 ひまはりの刑務所へきみを閉じ込めて明け方ゆめにももう現れず

1点 とんでもないところに月が現れて行方わからぬ猫照らしおり

1点 空を見た人はそれから自らの顎の指す方へまた歩きだす

1点 音のない声こぼしつつ夜を降り錆びたフェンスをすり抜け彼方

1点 方言は津軽にかぎると君を抱くいつも冷たい足のやさしさ

素直であたたかさが感じられる詠いぶりだけに
「やさしさ」とまで言ってしまったことが惜しまれます。
直截的な表現を使わずに言い換えてみてはいかがでしょうか。

1点 ちからづよく青葉の枝をぶつけあふ少年はまだ彼方を請はず

1点 寂しさかそれともまたは喜びか 眠る貴方を踏み越える夜半

とても女性らしく、着眼点のよい歌だと感じました。
上句の「寂しさ」「喜び」が対照的でありながら
直接的な感情表現としてつきすぎに感じられる点、
「それともまたは」の部分がいくぶんもたつく点が惜しいと思います。

1点 ∞(無限大)型の眼鏡が解いてゆく宇宙を記す方程式を

「∞(無限大)型の眼鏡」という表現は作者の発見だと思います。
∞(無限大)-宇宙-方程式、という理数系つながりの言葉選びが
巧みな一首だと感じました。

1点 うつむけばこぼれる髪をかきあげる指が四方にひかりをはなつ

1点 夕方の風がサニーを抜けてゆく臨時ニュースの声をさらって

1点 日常の彼方へ抜けろいつの日か世界すべてが日常になる

1点 生き方がいつもまずしいわたくしの夜へ静かに砂はこぼれる

1点 塗り込めた夜の方眼紙マス目から飛び立つ鳥の朝は藍色


<出詠>

さきはひと名のつく川に乗り捨てられし方舟のひつそり朽ちる

拙歌に票をくださった皆さま、コメントをくださったたたさん、澤井佐和さん、
ありがとうございました。