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うたつかい2017年春号掲載歌(テーマ詠) [うたつかい]

<テーマ詠【お店】>

雨あしを透かすガラスの赤いろの時をとどめてひづむ階梯

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うたつかい2016年秋号 [うたつかい]

<題詠>オノマトペ

伸ばす手にかかる寝息のすんすんと 終(つひ)にちかづく秒針のこと


<おすすめの歌集>『水の皮膚』宮野克行:著/ながらみ書房

破調の多い口語短歌の集積は、水のように、きまった形を持たず、読み手によって姿を変える。
リアリズムを根底に、選び抜かれた語彙で普遍を模索する姿勢が垣間見える。
硬質な不均衡。いけない本よね。

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単行本: 155ページ
出版社: ながらみ書房 (2006/06)
言語: 日本語
ISBN-10: 4860234057
ISBN-13: 978-4860234058
発売日: 2006/06

直立のその沈黙の窒息のなみだってゆく青空
せせらぎをまたいで青く錆びてゆく心電図見え深く
細長くこう上体をもたせかけたわめてゆける銀の燭台
意味を躱す交わされる意味と薄い味の水に舌さす
くりかえしくりかえし見る水の皮膚のくりかえされる水の空白


うたつかい2016年夏号掲載相聞歌【風は風なの】 [うたつかい]

わくら葉を目に追うてゐる微熱から解き放たれぬ 指 いつぽん(紫苑)

いみしんの「失恋」の意味あやうくてあなたを前にふるえいること(岡田濫)

くさぐさのことわりを捨てふたたびの夜のうしほに影は溶けつつ(紫苑)

さざなみの 夜囚われし しとねとも ルリカラクサの風は風なの(岡田濫)

咲きいそぐ花はどうして 浅き夜をああいふことになつてしまつた(紫苑)

死に急ぐな問う凸ぴんの わだつみの、風の風なる。ビンディーのある(岡田濫)


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https://www.flickr.com/photos/mayor_of_clutch/8704514950

うたつかい2016年夏号掲載歌(テーマ詠) [うたつかい]

<テーマ詠【家具・家電】>

黙ののち吐くエアコンのため息の ひと夏を抱く猫のいううつ

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うたつかい2015年春号掲載歌 [うたつかい]

やみのよに行く手は知らね散り交うて川面をそむる花のうたかた

なにとなき日を少しづつ侵しゆく唐棣(はねず)よナガミヒナゲシの群れ

おもふさま淫らになれと言ひつのるをとこの憎しさくらあめ降る

瓶に泣く美女ざくらあり地に伏する芝ざくらありいづれかなしき

すりきれた真昼の月にかひまみぬ永遠のあはひに振りかはす手は






<テーマ詠【春】>

誘はれて身をひらくごと春風にひと枝ぐるみ山桜桃(ゆすら)くれなゐ

うたつかい2015年春号掲載相聞歌【朝桜】 [うたつかい]

咲き濡れし連理の枝の花やらむ枕辺に散る桜ちらはら(横雲)>


寄する手のうちにはなびら今宵しも世にいくたりの夜桜お七(紫苑)


露のよををしみ亀鳴く夢ぬちに水底の砂掬ひたる果て(横雲)


花筏ともに乗らむと夢そこひ波に揺らるる心地こそすれ(紫苑)


花の雨はた降り止まぬ遅き朝熱き珈琲カップに注ぐ(横雲)


珈琲のカップをひとつ受け取れば眼(まな)にやさしき桜雨ふる(紫苑)

うたつかい10月号掲載歌 [うたつかい]

<自由詠五首【谷間の百合】>

うつくしき谷間の百合を語りあふ唯物論をうしろ手にして

熟み割れし石榴のきずを探るかに血の実を食めるくちびる憎し

たかしるや天仰ぎつつ地に棲みぬつひの身に沁む一滴のあを

猫の足もちてゐるらしいつのまに胸ぬちへ入るわたしの孤独

仮初めにあらざればなほ―目をそらす。絶たなむ熱の、ままならぬまま。

<テーマ詠【魔法】>

むらさきの雲母(きらら)のうちに夜は更けてをととひを引く魔術師のゆび


うたつかい10月号掲載相聞歌【花野】 [うたつかい]

あきちかう萎(しぼ)めるわが身いとほしやむらさきの花咲くを待ちかぬ(横雲)


夕づくよ花野に咲かふななくさをそぞろ摘みつつ君を待ちをり(紫苑)


たづぬるに遥けき野辺のむらさきの君が下紐ゆふともとけよ(横雲)


月映(つきばえ)のもとにあかるむ萩花のみとひらきてはふりこぼす露(紫苑)


夜の深み露に数そへ鳴く虫の花野に酔ひて声も惜しまず(横雲)


はたすすき露すがる穂の重りゆき長のねむりに秋ふかみゆく(紫苑)

うたつかい7月号掲載歌 [うたつかい]

<自由詠五首【夏の音綴(シラブル)】>

響き合ふ夏の音綴(シラブル)とりどりの野菜を白きうつはに盛れば

うす青の薩摩切子に唐芙蓉ひとつ浮かせば白南風の吹く

汝が剥きし桃ひときれはやはらかき接吻のごと喉(のみど)をすべる

女(め)を識らぬ童男(をぐな)のごとき青胡桃たなごころにし転ばせあそぶ

明日葉のつよき香りに思いをりけふ在ることの確かふたしか

<テーマ詠【海】>

ゆびさきに海岸線をなぞるごと猛る背骨の影うつくしき


うたつかい7月号掲載相聞歌【色めき開きゆくはちすの花を詠みて】 [うたつかい]

葩(はなびら)に濡れ色露を零(こぼ)しつつ潤みて堅き実を撫づる風(横雲)


しろたへの夕風なづる花の床に眠りし青き実のあらはれぬ(紫苑)


蓮花を亀のつつくや葉の揺れて映す水面に淡き波立つ(横雲)


みぢか夜や波たちやまぬ水の面に浮き葉の露をあまた結びぬ(紫苑)


はちす葉にまろびあひつつ白玉の触るるや果てて花開く朝(横雲)


咲き満てるはちすの花をふるはせて朝の鐘のはるかに聞こゆ(紫苑)


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