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題詠100首百人一首 [題詠blog2011]

題詠blogの選歌をなさり、私の歌もたくさん採ってくださった
西中眞二郎さんが、今年も「題詠100首百人一首」を編まれました。

100首揃ってみると読み応えがあり、壮観ですね!

文語口語が入り交じり、各々の歌風が異なるのも
かえって面白く感じます。

私は「099:惑」を入れていただきました。

未だ視えぬ「詠ふこころ」に惑う吾の闇にやさしきリルケの手紙

これはリルケの「若き詩人への手紙」をモチーフにしたもので、
以前「うたのわ」で詠んだ中から流用した歌です。

ちょっと意外な選歌でしたが、作歌についての悩みは
誰しも持ち続けていくものだと思いますし、
その辺りが印象的だったのかなと思います。

ありがとうございました。


若き詩人への手紙・若き女性への手紙 (新潮文庫)

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  • 作者: リルケ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1953/01
  • メディア: 文庫






飯田彩乃さんに5首鑑賞していただきました [題詠blog2011]

題詠blog2011の参加者で、ご自分も完走なさった飯田彩乃さん
5首鑑賞していただきました。


027:水
くちかずの多き光に照り映ゆる真水はものをいはぬ毒薬

031:電
電脳のうみ漂はばにじいろの尾びれそよがす魚(いを)とならまし

056:摘
笑む君は手ゆび美(くは)しき殺人者摘む花首は我やもしれぬ

077:狂
狂ほしき嵐の去りて天井の白きを空のごとくに眺む

087:閉
厨辺のましろき湯気に閉ざされて妻たる我よ盲目であれ


選歌にも特徴があり、鑑賞も非常に女性らしい細やかな視線を感じました。
ありがとうございました。


西中眞二郎さんによる選歌 [題詠blog2011]

西中眞二郎さんは毎年題詠blogを選歌なさり、
最終的に百人一首を編まれているそうですが、
拙歌について以下の選歌をいただきました。

001:初 あかねさす紫の芽の吹き初めてミモザ枝垂るる冬のひだまり

005:姿 姿見にかかる端布(はぎれ)は佳き日々の名残か祖母は百歳(ももとせ)を
生く

007:耕 晴耕をやむるは亡妻(つま)を想ひてか釣りに興ずと文の来たれり

009:寒 禍きまでひたくれなゐにしなだるる寒緋桜(かんひざくら)を身ぬちに抱く

012:堅 春雨のしづく置きたる堅香子(かたかご)は恋はかなきを知りてうつむく

015:絹 生糸積みし港の名残り横濱(はま)の名を今に伝ふる絹のスカーフ

017:失 失衡の予感をはらむゴンドラに差し向かひつつふたり黙(もだ)せる

020:幻 ひとりゐて閨が窓辺に降る雪にかさね見つるは花の幻

022:でたらめ でたらめに置きしと思ふ色柄の相響きあふカンディンスキー

024:謝 ペルソナのおほえるは誰そ素顔なといづくにか捨てなむ謝肉祭

025:ミステリー 黒蝶(こくてふ)の夢より生ふるミステリー胸のナイフをわたしは抜かぬ

036:暑 暑気払ひとて取り分くる梅ひとつ肌の青の玻璃皿に映ゆ

037:ポーズ ポーズより解き放たるる踊り子の鎖骨に蒼きかげ宿りけり

039:庭 蝋梅のごとき仙人掌ほころびて我が狭庭にも春おとづれぬ

041:さっぱり さつぱりと剃り跡あをき襟足の背(せな)に匂へる祭り半天

042:至 いのちにも代ふる至福を知らぬまま永遠(とは)に彷徨ふ蓬髪のかげ

044:護 護りえぬいのちありけり残されし夫(つま)の挽歌は詠まれぬままに

045:幼稚 都合よきをんなたらむと思ひしもときに幼稚な駆け引きをせむ

046:奏 ゆくりなく縺れては解く不協和音すへに美(くは)しき二重奏(デュオ)をかなでむ

047:態 奔放の姿態とみゆる刹那にも真沙子のひとみ澄みてあらなむ

054:丼 開化丼はじめし日より荒井屋の暖簾にけふも浜風の吹く

055:虚 うつくしき虚像ならまし産毛なきビスクの頬を撫づるてのひら

057:ライバル アライバルのランプ点れば所在なきひつじの群れはゲートをくぐる

059:騒 おほ川はこころ騒ぎをうつすごと潮の満ち干に波さかまきぬ

062:墓 月の面(も)の蒼きくぼみは眠られず夜を咲ききりし花の墓碑銘(エピタフ)

064:おやつ おやつばめ餌はこび来ぬおのが身の細るを知らぬ機械となりて

069:箸 塗り箸に白蝶貝の桜ばなひそと散らうて春をしつらふ

070:介 狷介と言はれしもふとあたたかき目を向けくれるひと時のあり

071:謡 地謡のこゑ潮鳴りのごとくにて怪士(あやかし)の眼の波間にひかる

073:自然 秋立ちて黄葉(もみぢ)あやなる自然薯(じねんじょ)の葉裏に小さき零余子(むかご)いきづく

075:朱 西つ方朱華(はねず)の空を惜しみつつみぢかき春の日の暮れにけり

077:狂 狂ほしき嵐の去りて天井の白きを空のごとくに眺む

078:卵 つと毀れ拡がりゆける卵黄にゆるき破戒のかなしみを見つ

079:雑 改札に君を送れば雑踏はたがひの生(しやう)を捲いて流るる

085:フルーツ 目に慣れぬフルーツに手を伸ばしつつ外つ国の香に酔ひ痴れし夜

089:成 鶴首を一気呵成に引き上げし織部のあをはあたりをはらふ

099:惑 未だ視えぬ「詠ふこころ」に惑う吾の闇にやさしきリルケの手紙


計37首も選歌いただいたことに、正直驚きました。
完走してからすでに3ヶ月程度経ちますが題詠blogは初参加で、
百首連作になさる方やテーマを決めて詠まれる方もある中、
文語旧かなという以外は特に縛りも設けず、
怖いもの知らずで挑んだ結果が良い方に転んだのだと
都合良く解釈しております(笑)。

以前記事にした夏美麦太朗さんと同じく
西中さんにも独自の選歌基準があるように思います。

短歌と私(短歌的自叙伝と私の短歌観)」という記事を挙げておられますが
選歌の基準もそれに則ったものであるように見受けられます。

加えて気づいたことは、

いわゆる日常詠に近い、細かな目線で詠んだもの
詠み手の身近な風俗を詠み込んだもの
題詠の指定をそのまま使うことにとらわれず、独自の使い方をしたもの

を比較的頻繁に取り上げておられることです。

西中さん、夏美さんともにN短などのご常連と伺っており、
かつそれぞれの嗜好が異なったことで
「読み手の目」に対する意識を具体的に感じられたことは
大変よかったと感じています。

夏実麦太朗さんによる選歌 [題詠blog2011]

題詠blog2011の百首について、
さきに完走された夏実麦太朗さんに
七首選歌をいただきました。

   麦太朗の題詠短歌

002:幸
麗ら日やほころび初むる梅が枝に目白は春の幸(さきは)ひを告ぐ

010:駆
疾駆する馬ともまがふ朝焼けの雲は不穏を乗せて向かひ来

034:掃
春近き夜明けの空は水ふくみくれなゐ匂ふうす雲を掃く

☆041:さっぱり
さつぱりと剃り跡あをき襟足の背(せな)に匂へる祭り半天

077:狂
狂ほしき嵐の去りて天井の白きを空のごとくに眺む

087:閉
厨辺のましろき湯気に閉ざされて妻たる我よ盲目であれ

092:念
情念のこゑ果てしなくこだまするひとのうつはに底の見へざり



非常に麦太朗さんの特色のある選歌だと思います。
かねてより私の歌を知っている方なら選ばない歌がほとんどです。
むしろそれが大変新鮮で、こういった視点もあるのかということに
気づかされます。

選歌の特色は何と言っても現実の生き方に
根ざした歌が多いことです。
どちらかといえば普段詠む歌では数少ない方で、
百首のうちでそれらをよく掬い上げられたと感心しており、
ある意味今まであまり注目されなかった自分の一面を
ピックアップされた気もいたします。

ありがとうございました。

完走報告(紫苑) [題詠blog2011]

初参加ということもあり、
当初は期限内に完走できればというつもりでしたが、
百首すべて推敲したのではとても間に合わぬと思い
途中から飛ばした結果、予想外に速く完走いたしました。

主催者さま、ご参加の皆さま、ありがとうございました。

口語詠みの方が多いなか、文語ベース・旧仮名で
完走できたことは、自分なりに有意義な試みでした。

敢えてテーマを決めずに広範な歌を詠むことを心がけましたが
やはり偏りが出たのは反省点です。


100:完(紫苑) [題詠blog2011]

あまさかる鄙に祈らむ君の夢完(まつた)からまし敷島の道

099:惑(紫苑) [題詠blog2011]

未だ視えぬ「詠ふこころ」に惑う吾の闇にやさしきリルケの手紙

098:味(紫苑) [題詠blog2011]

みそかごと薬草(ハーブ)の色と香に込めし魔味の酒杯を君と交はさむ

097:毎(紫苑) [題詠blog2011]

生と死の合はせ鏡か姥捨(おばすて)の夜に照り映ゆる田毎(たごと)の月は

096:取(紫苑) [題詠blog2011]

行き倒れに似たるものかはかざす指取りもあへずに蝉あふのけり
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